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18号答申の後継となる「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(案)」が公表されました。

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国土交通省の交通政策審議会鉄道部会の「東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会」が、『東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(案)』(以下、「あり方(案)」と表記します)を公表しました。→国交省HP

いわゆる18号答申(「東京圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画について」)のあとを受ける形となる文書の案で、パブリックコメントの手続に出されています。

あり方(案)の概要

あり方(案)は、以下のような構成になっています。

  • 東京圏の都市鉄道に係る現状認識
  • 東京圏の都市鉄道が目指すべき姿
  • 「東京圏の都市鉄道が目指すべき姿」を実現する上で意義のあるプロジェクト

そして、全体のトーンとしては、単に路線を増やしたりして速達性を向上するようなものではなく、2020年のオリンピック・パラリンピックや観光立国のための外国人観光客への対応が特色として出ています。

気になる新路線

ただ、地方公共団体などが最も気にしているのは、新たな路線の整備だと思います。

経済効果に直結するものなので、盛んにPR合戦も行われていました。

気になる具体的な整備プロジェクトとしては、以下の24が記載されました。 続きを読む


交通政策審議会答申に向けた動きが活発になってきました

今年は、運輸政策審議会の第18号答申の後の鉄道整備の方向性を決定する交通政策審議会の答申が出る年です。この経緯については、以前に少し書きました。

交通政策審議会での議論が進む中で、答申に盛り込んでもらうとか、第18号答申からの方針を変えてもらうなどの動きが出てきています。

東京都からは、既に「東京圏の鉄道網の整備はさらに進むのでしょうか(下)」で紹介したように、湾岸と内陸部の整備の提言がなされています。

最近、千葉県千葉市と埼玉県川口市の動きが報道されましたので、紹介してみます。

千葉市 – 幕張地区の新交通システム

第18号答申では、千葉市の海浜幕張地区とJR総武線を結ぶ新交通システムを「整備を検討すべき路線」としていました。

海浜幕張地区の人口増を見据えて、東京に向かう路線を2路線使うことが可能となるように想定されたものでした。

千葉市は、今回の交通政策審議会からのアンケートに対して、この路線の整備を要望しなかったということで、対象からはずれることになりました。

京成バスが大型バスを運行して輸送力を強化したため、新たな交通システムを整備する必要がなくなったということのようです。

参照:海浜幕張-JR総武線の新交通計画凍結…千葉市

川口市 – 湘南新宿ラインの川口駅停車

埼玉県川口市は、これまでもJR湘南新宿ラインの川口駅停車を要望してきました。

今回、埼玉県から交通政策審議会への要望に盛り込まれることとなり、1ステップ前進したと考えているということです。

埼玉県の交通政策課は「川口駅は京浜東北線だけでホームも上下一つずつだけ。朝のラッシュアワーの混雑が危険だという市民要望が強い。ホームが増えれば安全度が増すほか、赤羽駅の混雑も緩和される」とコメントしています。

参照:JR湘南新宿ライン、川口駅停車…県の要望として国へ「長年の悲願」

ただ、要望が受け入れられるのはかなり困難ではないかと思います。

川口駅利用者からすれば、湘南新宿ラインが停車すれば池袋・新宿・渋谷方面へのアクセスが向上します。

湘南新宿ラインは、大宮以北から大宮・浦和でほとんど満員です。大宮・浦和は、乗り込む客も多いですが、商業地大宮、県庁所在地浦和だけに、降りる客もそれなりの数になっているので、うまく乗降ができるようになっています。

しかし、大宮以北、大宮・浦和からの乗客が川口で降りることはあまりないと考えられ、川口は乗り込む客がほとんどとなります。

浦和で既に満員の列車が川口に停車してドアを開けても、ほとんど乗り込むことはできないのではないでしょうか。

こうしたことを想定すると、湘南新宿ラインの川口駅停車の要望は、実現性が低いと思います。


東京圏の鉄道網の整備はさらに進むのでしょうか(下)

東京圏の鉄道網の整備はさらに進むのでしょうか(上)では、交通政策審議会(前身は運輸政策審議会)について、(中)では、現在の鉄道網整備の方針を決めた運輸政策審議会 第18号答申を紹介しました。

最後となる今回は、第18号答申後の鉄道網の整備の方針がどうなるか、検討の状況などを紹介します。

交通政策審議会での検討状況

交通政策審議会では、鉄道部会に「東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会」を設けて、第18号答申後の2015年以降の整備を検討しています。

小委員会は既に9回開催されていて、本年7月1日の9回目の会議では、これまでの議論を振り返り、「中間整理」をまとめています。

「中間整理」はこちらに掲載続きを読む


東京圏の鉄道網の整備はさらに進むのでしょうか(中)

東京圏の鉄道網の整備はさらに進むのでしょうか(上)に続く第2回です。

前回は、鉄道網の整備の方針を決めている、交通政策審議会(前身は運輸政策審議会)について紹介しました。

今回は、まさに現在の鉄道網の整備を決めた、運輸政策審議会 第18号答申を紹介します。

運輸政策審議会 第18号答申

概要

第18号答申は、正式には、「東京圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画について」という名称で、平成12年1月に提言されました。

東京圏の鉄道について、長期的な展望に立った整備を推進することにより、効率的かつ利便性の高い高速鉄道を中心とする交通体系の形成を図る必要がある、という観点から、平成27年まで15年間の整備計画を提言したものです。

そう!この第18号答申が平成27年までの計画なので、今年、次の計画を出すための検討が行われているのです。 続きを読む


東京圏の鉄道網の整備はさらに進むのでしょうか(上)

今年2015年は、首都圏に住んでいる方にとっては注目の年です。

国土交通省の交通政策審議会が、今後の鉄道網の整備に関して提言を出す予定だからです。

鉄道好きの方には常識とも言えるのですが、そうでない方にとっては、いきなりそんなこと言われても「なに?」って感じだと思います。

今回は、3回にわたって、首都圏の鉄道網の整備に関して紹介します。

交通政策審議会って?

いきなり、交通政策審議会と書きましたが、これは国土交通省に設置されている有識者の会議で、「国土交通大臣の諮問に応じて交通政策に関する重要事項についての調査審議等」をすることになっています。

端的に言うと、鉄道や道路の整備の方針を決めるということですね。 続きを読む


1時間に1本ある北陸新幹線「つるぎ」の意味

北陸新幹線の開通から約3か月程度経過し、最初のにぎわいも落ち着いてきたころでしょうか。

出張で金沢に行く機会があり、行きは同行者の都合で飛行機だったのですが、帰りは北陸新幹線で帰ろうと計画していて、金沢駅の時刻表を眺めていました。

 

 

金沢-富山間の「つるぎ」が1時間に1本

すると、初めて気が付きました。

金沢発の北陸新幹線に、「富山行」があります。しかも、ほぼ1時間に1本。

東京行がほとんどで、ときどき長野行があるくらいだと思っていたので、かなり意外です。

金沢駅(JR北陸新幹線)の時刻表 – Yahoo!路線情報

新幹線で金沢から富山へは、2駅で23分ということなんですが、これが1時間に1本以上出ているのです。

これって何?

大阪方面-富山のアクセス

ということで、少し調べてみたところ、大阪方面とのアクセスの関係だということが分かりました。

北陸新幹線開業前は、大阪方面から富山(あるいはその逆)は、特急サンダーバードで乗り換えなしでした。

新幹線開業でサンダーバードは金沢止まりとなりましたので、金沢~富山間を在来線(IRいしかわ鉄道)に乗り換えていくと、手間・時間ともにかかることとなります。

そこで、大阪方面と富山のアクセスの悪化を防ぐために、シャトル便として「つるぎ」が設定されたようです。

それでも、大阪方面と富山のアクセスは悪化となったようです。

北陸新幹線、富山から関西・中京への始発不便に : 新おとな総研 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

東京目線だけではダメだと実感

今回、「つるぎ」の件について調べてみて、「あぁ、自分はやっぱり東京目線しか持ってないんだな」と感じました。

「北陸新幹線」と「富山」というキーワードでこれまでに考えていたことは、「富山へのアクセスは、完全に飛行機から新幹線に変わる」ということでした。

金沢へのアクセスについては、小松空港の立地を考えても飛行機と新幹線で微妙なラインとなっていますが、東京から富山へのアクセスは、完全に新幹線になると考えられています。

でも、これって、東京から見た場合のことでしかなくて、上記の読売の記事にあるように、大阪方面や名古屋方面というのを全然考慮してないんですよね。

物事を一面的に見てはいけないということを実感しました。

なお、「つるぎ」に乗った方の感想も出てきていますので、参考まで。

北陸新幹線の金沢-富山間に乗ってきた!シャトル便のつるぎって必要なのかな? – カズログ


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