政府の地方創生って、方向間違ってませんか

政府は、成長戦略のひとつの柱として『地方創生』を掲げて、担当大臣(石破さん)も置いて政策を作っています。

このところ、いくつか具体的な提言らしきものが出てきていますが、ちょっと方向がおかしいのではないかと思いましたので、考えてみました。

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都市部→地方への移住は進むか

昨年12月に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、地方創生の核として

地方への新しいひとの流れをつくる

を掲げています。

これは、地方を活気づかせるためには、地方→都市部という従来のひとの流れとは逆の流れを生み出し、地方の人口を増やさないといけないという問題意識に立っていて、このこと自体は間違っていないと思います。というか、当たり前のことです。

しかし、その先の具体的な政策が、ちょっと、とんちんかんと言わざるを得ません。

日本版 CCRC

総合戦略の中で地方移住の促進策として、CCRCが掲げられていてます。

CCRCとは、Continuing Care Retirement Community の略で、「高齢者が移り住み、健康時から介護・医療が必要となる時期まで継続的なケアや生活支援 サービス等を受けながら生涯学習や社会活動等に参加するような共同体」と説明されています。

要するに、高齢者を都市部から地方へ移して、街をつくろうというものです。

この考え方は、人口が都市部に集中していると、近い将来に都市部での介護施設などの需給がひっ迫するという事情が背景にあります。

政府の動きを見ていると、ある程度、このCCRCの創設を本気で考えているようです。総合戦略の決定後、首相官邸に「日本版CCRC構想有識者会議」を設置して、地方自治体へのアンケート調査を行うなど、精力的に活動しています。

このCCRC、コミュニティの在り様としてはあり得るものだと思うのですが、現行の税制・社会保障制度を考えると、自治体にはメリットがないような気がします。

というのも、移り住むのは高齢者であり、所得は無いか低いものとなります。一方で、医療・介護に必要な費用は高いので、地方自治体の財政には負の貢献しかありません。

都市の私大への助成金減額

総合戦略にも掲げられている「地方大学等の活性化」策として、定員を超過している都市部の私大への助成金を削減するというニュースが出ていました。

大規模私大:定員超過分は助成減額…文科省方針(毎日新聞)

定員超過が常態化している都市部の大規模私立大学に学生が集中することを避けるため、文部科学省は入学定員を超えて学生を受け入れた私大に対し、超過した学生数に応じて補助金(私学助成金)を減額する方針を決めた。一定の定員超過が続いた場合は新学部の設置や定員増も認めない。政府の地方創生策の一環で、学生数を抑制することにより大都市への学生流入に歯止めをかける狙いがある。年内に助成金交付基準などを改正するが、受験生の混乱を避けるため、適用には数年の猶予期間を設ける方針だ。…続きを読む

このような政策で地方大学の人気が上がると本気で考えていたら、かなり能天気というかお花畑というか、終わっていますよね。

この政策で考えられる結果は、都市部の私大間で学生数が適正化されるだけではないでしょうか。

そもそも都市部の大学に行こうと考えている若者は、都市部の大学に行きたいのであって、都市部で選択肢を考え直すだけでしょう。

地方に魅力はあるか

いま、ふたつの政策を挙げてみましたが、政府の地方創生策、特に、地方への移住策は、「都市部にいるひとを減らす」という視点からスタートしているような気がします。

「地方に行きたいひとを支援する」という発想になっていないという気がするのです。

地方に魅力があれば、行きたいひとは自然と現れるはずですが、現状では地方には魅力がなく、都市部での生活に魅力を感じるひとが多いため、都市部→地方というひとの動きが出ることはなく、都市部のひとを減らすことで、地方へ移動させようとしていると見えます。要は「追い出し」ですよね。

そのようにして追い出された人々が暮らす「地方」に魅力が生まれるわけがありません。

魅力があり、住みやすい地方の創生をいまいちど検討する必要がありそうです。でも、本気で検討したら、そのようなことはもう不可能なのかもしれません。

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