受動喫煙防止|日本学術会議が東京オリンピックに向けた緊急提言をしています

5月20日、日本学術会議が、「東京都受動喫煙防止条例の制定を求める緊急提言」を発表しました。

東京都受動喫煙防止条例の制定を求める緊急提言(pdf)

この提言はなかなか良い読み物なので、紹介します。

日本学術会議とは

そもそも、提言を発表した日本学術会議をご存じですか。

日本学術会議は、日本の様々な分野の科学者を代表して、

  1. 政府に対する政策提言
  2. 国際的な活動
  3. 科学者間ネットワークの構築
  4. 科学の役割についての世論啓発

を行う機関です。様々な分野のことについて、提言や報告を行っています。

日本学術会議

緊急提言の内容

今回の日本学術会議の緊急提言は、要約すると、

  • オリンピック開催都市では、公共の場での喫煙禁止が常識
  • 分煙では受動喫煙を防止できない
  • 東京都は受動喫煙防止条例を制定するべき

というものです。

「何の話?」という感覚の方もおられるのではないでしょうか。

オリンピックとたばこ

国際的に、公共の場でのたばこの規制が強くなっていることは、よく知られています。

実は、スポーツの祭典であるオリンピック・パラリンピックでは、健康を害するたばこに対して、厳しい姿勢で臨んでいます。

緊急提言では、そのあたりのことにも触れられています。

国際オリンピック委員会(IOC)は、昭和63(1988)年のカルガリ大会以降、オリンピックにおける禁煙方針を採択し、競技会場の禁煙化とともにタバコ産業のスポンサーシップを拒否してきた。さらに、平成22(2010)年7月にWHOとIOCは健康的なライフスタイルとタバコのないオリンピックを目指す合意文書にも調印している。
その内容は、オリンピックはスポーツの祭典であることから、健康的な環境の下で実施されなければならないというものであり、オリンピック開催都市はスモークフリーの環境を整備しなければならないことが謳われている。

そして、多くのオリンピック・パラリンピック開催都市で、罰則付きの条例や受動喫煙防止法が整備されたということです。

つまり、オリンピック・パラリンピックを開催するなら、たばこに対して厳しい規制をしなければいけないということを言っています。

東京都の動きは

では、東京都は、オリンピック・パラリンピックの開催決定以降、どのように動いたのでしょうか。

舛添知事は乗り気だった

東京都政をあずかる舛添知事は、はじめはやる気十分だったようです。

平成26年9月には、東京都受動喫煙防止対策検討会を設置して、条例化に向けての検討を開始しています。

普通、この手の検討会は、結論がほぼ決まっていることが多いのですが、この検討会、意外な顛末をたどりました。

外圧に屈した舛添知事

実は、検討会が設置された直後から、都議会自民党を中心に、たばこの規制強化に反対意見が強くなっていました。

これは、たばこ業界や飲食業界が都議会自民党にはたらきかけたものとみられています。

そして、検討会でも、たばこ業界、飲食業界、ホテル業界などが、慎重な意見を提出しました。

受動喫煙防止の条例化に、お墨付きを得ようとして開いた検討会が、対立の場となってしまったのです。

また、当初やる気を見せていた舛添知事は、都議会からの反対意見が大きく聞こえてくると、トーンダウンしてしまいました。

検討会の議論はうやむやに

結局、検討会は5回開催されましたが、うまく議論が煮詰まらず、うやむやというか中途半端な形で報告書がまとめられそうになりました。

しかし、賛成、反対両陣営から、うやむやにすべきでないなどと議論が紛糾し、報告書はまとまっていない状態です。

やはり公共の場は禁煙にすべき

東京都では、議論がまとまりそうにない状況ですが、個人的には、やはり、公共の場での喫煙は禁止にするべきだと思います。

日本学術会議の提言を無視してはいけません。

「喫煙者の権利」などと言う人が出てきますが、健康被害をもたらすものを公共の場で扱っていいと考える人がいること自体が驚きです。

プライベートな場所では自由なので、そちらで吸ってはどうでしょうか。

また、検討会の議論でも、これまでの健康増進法の議論などでも出てますが、分煙では、そこで働く人の健康被害を避けられないんですよね。そこのところは、分煙派の人によく分かってほしいところです。

最後に

日本学術会議の緊急提言

話を戻して、緊急提言ですが、受動喫煙の防止の必要性がものすごく端的に、的確にまとまったとてもよい文書になっています。

ぜひ、一度お読みください。(再掲)

東京都受動喫煙防止条例の制定を求める緊急提言(pdf)

神奈川県の条例

神奈川県では既に多くの公共施設での禁煙を条例で定めています。

神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例

これに対しては、やはり当初、神奈川県内で大きな論争となりましたが、結局、県民に受け入れられていると思います。県内の事業者も、協力しているとのことです。

先日、神奈川県在住の友人と都内で食事をしたときに、彼が開口一番に言った言葉は、「あぁ、都内ではたばこ吸えるんだな。煙がすごい。」でした。

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